ウクライナの戦争により、化学肥料の価格が上昇する中、安価で再利用可能な伝統的な肥料である「 下越（しもごえ）」が日本で再び注目を集めています。
日本を含む世界のいくつかの地域では、かつて作物の肥料として「夜の土」が一般的でした。しかし、下水道や処理施設、化学肥料の登場により、その利用は廃れてしまいました。
約10年前、日本の処理施設は下水汚泥の処分を回避するために、再び人々の関心を呼び戻せるかどうかを考えました。しかし、ロシアがウクライナを侵攻し、化学肥料の価格が高騰するまでは、熱意は限定的でした。
それが北日本の都目での施設にとってはまさに恩恵であり、2023年3月までに下越の売上高は前年比160％増加しました。2010年から肥料の生産を始めて以来、初めて完売しました。
施設の副社長である加藤敏明氏は、需要の増加は簡単に説明できると述べています。「私たちの肥料は安価であり、農家の高騰するコスト削減に役立っています」と彼はAFPに語りました。「また、環境にも良いです。」
この肥料は、浄化槽からの処理された下水汚泥と化糞池からの人糞の組み合わせで作られ、15キログラム当たり160円で販売されています。これは輸入原料から作られた製品の約1/10の価格です。
日本の佐賀県でも売上が2倍から3倍に増えていると報告されています。日本の他の自治体からも数十の視察団が訪れ、彼らのプログラムを模倣したいと熱望しています。
肥料専門家であり、このテーマに関する論文を執筆してきた小林新氏は、「下越は日本の近世の江戸時代における重要な肥料だった」と語っています。
18世紀初頭、当時の江戸と呼ばれた東京の100万人の住民は年間約50万トンの肥料を「生産」していたと推定されます。
それは大きなビジネスであり、採取業者、運搬業者、農家が関わっており、「みんなが利益を追求した結果としてリサイクルシステムが生まれた」と小林氏は述べています。彼らは「意図的にリサイクルシステムを作ったわけではなく…それは利益追求の結果でした」と述べています。
日本の政府は環境上の利点やロシアの侵攻以降の食糧安全保障の懸念を挙げ、この復活を奨励しています。
農林水産省は、2030年までに動物の糞や人糞の利用を倍増させ、日本の全肥料利用の40％を占めることを目指しています。
神奈川県の三浦市では、人糞を運ぶ真空トラックが次々と処理施設に到着します。
水は取り除かれ、その後、細菌が巨大なタンク内で残りの固形物を発酵させます。
プロセス中に発生したメタンは、施設の給湯や電力供給のために燃やされ、最終的な製品は畑に散布できる土のような粉末です。
「私たちは年間500トンの肥料を生産しています」と三浦バイオマスセンターの施設マネージャーである両瀬健一氏は述べています。「この肥料はキャベツなどの葉野菜に特に適しています。」
両瀬氏は、「加工された下水汚泥には重金属などの有害物質が除去されている」と述べました。
アメリカでは最近、下水から作られた肥料中のいわゆる永遠の化学物質（PFAS）のレベルに関する懸念がありました。
環境省の職員は、日本では同様の懸念は報告されていないが、土壌中のPFASレベルのための現行のガイドラインは存在しないと指摘しました。
「PFASを科学的に信頼性のある方法で測定し、それを規制する方法について研究している最中です」と彼は匿名で語りました。
トラックが到着し、施設の消臭機が稼働しているにもかかわらず、太陽が輝いていますが、特有の香りが空気中に広がります。
この臭いは何か問題だったと認めるのは、三浦の横須賀でレタス農場を経営している41歳の藤原信義氏です。
彼は昨年から下越を使用し始めたと述べています。「コストを削減したいし、廃棄物のリサイクルの社会的な利点もあるので使ってみたのですが、匂いに関する苦情があるため、住宅の近くの畑では使用できません。
「また、通常の化学肥料と比べて4〜5倍の量を散布する必要があります」と彼は説明します。
これはあらゆる種類の肥料に当てはまることですが、それがより多くの作業を必要とするため、一部の農家にとっては魅力的ではありません。
彼は肥料がある種のブランドイメージの問題に直面していると認めています。
「汚泥という漢字はあまり良くないです」と彼は述べました。
「安全な食品を生産しているにもかかわらず、あまり詳しく知らない人々にとっては、人の糞から作られた肥料に対する印象は良くないかもしれません。」
しかし、彼はこの肥料の使用を隠したくはありません。実際、彼はそれを広めてもらいたいと考えています。
「公式の認証システムが私たちの製品のプロモーションに役立つと思います」と彼は述べました。
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